栽培品種について

現在、品種登録があるさつまいもだけでも60品種以上。年々品種改良が進み、消費者の嗜好に合わせた品種が登場しています。そんな進化する芋品種の一部ではありますが、私たちが栽培している品種をご紹介したいと思います。

 

紅はるか(ベニハルカ)

品種登録時期 品種登録者 交配品種1 交配品種2
2010年 九州沖縄農業研究センター 春こがね 九州121号

他の品種よりもはるかに甘いということで「紅はるか」と名づけられました。数ある芋品種の中でもトップクラスの甘さを誇ります。特に麦芽糖の比率が高いため、加熱によりねっとりと甘くなるのが特徴です。ねっとりとしているので、冷やし焼き芋にも最適で、近年の焼き芋ブームをけん引している品種でもあります。

 

シルクスイート

品種登録時期 品種登録者 交配品種1 交配品種2
2012年 カネコ種苗株式会社 春こがね 紅まさり

知名度では紅はるかに劣りますが、紅はるかと同程度の甘さをもち、絹のようなしっとりとした滑らかさが特徴です。紅はるかとの大きな違いは、その繊維の少なさです。スプーンですくって食べられるほど、ほどんど繊維がありません。今、人気急上昇中の品種です。

 

安納芋(アンノウイモ)

品種登録時期 品種登録者 交配品種1 交配品種2
1998年 鹿児島県農業開発総合センター

安納芋は、戦後にスマトラ島から帰還した兵隊さんが現地から持ち帰ってきた芋を種子島(鹿児島県)の安納地区で栽培し始めたのが始まりといわれています。その後、種子島以外でも栽培が広まると、同じ安納芋でも味や品質に大きなバラツキがみられるようになってきたため、鹿児島県が優良品種の選抜育成を始め、1998年に「安納紅」と「安納こがね」という2品種の安納芋を登録しました。(現在は、数種類の安納芋の品種が登録されています。)安納紅の皮は薄い褐紅色をしていますが、安納こがねは淡黄色です。身はともにオレンジ色で、安納こがねの方がやや甘いとされています。2003年頃から始まったねっとり系ブームの火付け役ともなったお芋で、糖度が高く、水分量も多いので、ねっとりとした甘さが特徴です。

沖夢紫(オキユメムラサキ)

品種登録時期 品種登録者 交配品種1 交配品種2
2003年 沖縄県農業研究センター 備瀬 V4

沖縄では、昔から紅芋が多く栽培されてきましたが、どれもあまり甘さがなかったり、色が不安定だったり、病気に弱かったりという問題がありました。そこで、病気にも強く、食味にも優れた紅芋として育成されたのが、こちらの沖夢紫です。7年の月日をかけ、生み出されました。紅芋とは思えないほどの「しっとりとした甘さ」が特徴です。また、肉色もしっかりと濃い紫色で安定しているため、青果用としても加工用としても万能な品種です。