宮古島の特産品でもある紅芋は、鮮やかな紫色と栄養価の高さで注目されています。中でも県内栽培シェア8割以上とも云われている加工用品種「ちゅら恋紅」と、食味は良いが1割ほどの生産量しかない青果用品種「沖夢紫」は、実は同じ親品種から派生した兄弟品種です!!今回はこの2つの紅芋の違いや味の特徴、最適な使い方について、宮古島の芋農家がわかりやすく解説します。
目次
- ちゅら恋紅と沖夢紫の基本情報
- 「紅芋」と「紫芋」の違いとは?
- まとめ
1. ちゅら恋紅と沖夢紫の基本情報
「ちゅら恋紅」と「沖夢紫」はどちらも「備瀬」×「V4」という紅芋品種を親に持つ兄弟品種ですが、食味や特徴は全く違います!私は2つの紅芋が兄弟品種と知ったとき「全然違うじゃ~ん!!!」とビックリしました。そのぐらい違うんです。
人間でも兄弟なのにまったく見た目も性格も違うこともあったり、自然は不思議なことだらけですねw(゚Д゚)w
- ちゅら恋紅
「ちゅら恋紅」は、系統番号96-1-18として育成され、2012年に品種登録された紅芋です。鮮やかな赤紫色とホクホクとした肉質が特徴で、色の安定性が高く、ペースト工場やお菓子工場で広く使われており、栽培している農家さんもけっこう多い品種です。
また、形が美しい紡錘形(ぼうすいけい)で、春植えでは収穫量が多くなる品種です。しかし、基腐病に対する抵抗性が低いため、しっかりとした管理が必要になります。甘みが控えめなことから、ポテトサラダやコロッケなどの料理からスイーツまで幅広く活用されている紅芋です。 - 沖夢紫
「沖夢紫」は、系統番号96-1-15として育成され、2003年に品種登録された紅芋です。鮮やかな青紫色とねっとりした肉質が特徴で、紅芋では数少ない青果用品種でもあります。糖度が高く、食味抜群の紅芋ですが、肥大しにくいため、収量が低く、気候条件の影響を受けやすいことや収穫後の貯蔵性が悪いという課題ゆえ、栽培が難しく、生産農家さんは少なめです。。そのため、市場に出回る量も限られ、希少価値の高い紅芋となっています。ねっとりとした肉質を生かした焼き芋や蒸し芋に適しており、甘さや食感を存分に楽しめる紅芋です。
2. 「紅芋」と「紫芋」の違いとは?
沖縄の特産品といえば「紅芋」を思い浮かべる方も多いと思いますが、見た目にはさつまいもにそっくり!他の地域で「紫芋」と呼ばれている紫色のさつまいもと何が違うの?って疑問に思った方も多いと思います。
結論から言ってしまうと、「同じ」です。つまり「紅芋」は、沖縄での紫色さつまいもの俗称というわけです。
ちまたでは「紅芋は紫色のダイジョ」などとの書き込みも見られますが、紅芋はダイジョでもヤムイモの一種でもありません。もちろん「ウベ」でもありません。正真正銘、ナス目ヒルガオ科サツマイモ属のさつまいもです。さつまいものうち、紫色のさつまいものことを沖縄では「紅芋」と呼んでいます。
3.まとめ
「ちゅら恋紅」と「沖夢紫」は同じ親品種から生まれた兄弟品種ですが、それぞれ異なる魅力を持っています。「ちゅら恋紅」と「沖夢紫」の違いを説明できるようになったら、あなたも立派な「紅芋博士」になれるかも!ヾ(≧▽≦*)o
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